男の育休。仕事しないで何するの?奥さんには取らなくていいと言われたけれど…。
奥さんも育休中だと夫婦で1人を育児?必要ある?育児も家事もどうせできないし,それなら働いてお金を稼ぐほうがいい。など,【育休】の捉え方,考え方,価値観は本当に家庭によってもちがうし,個人によっても全然ちがう。
金銭的な面で取りたくても取れない人もいる。今回は,少し限定的かもしれないが,育休中だからこそ得られる時間の過ごし方について。
育休のさまざまなパターン
【男の育休】といっても,様々なパターンがある。まずは,期間。1か月ほどの短期の人もいれば,3か月くらいの中期間の人,ぼくのように1年も取得した長期の人もいる。
次は,家族構成。第1子の場合。第2子の場合,第3子の場合。ぼくの場合は,第2子で取得。
家族の状況。奥さんも育休なのか。仕事復帰しているのか。第1子はすでに幼稚園にいっているか,子どもの年の差など。また,自分の親の協力がすぐに得られる状況なのかなど。
金銭的な状況。お金のゆとりは心の余裕にもつながる。どれくらい貯金があるのか,切り崩せるのかなど。
ぼくの育休状況
ぼくの場合は,1年間で第2子で取得。上の子(3歳)は幼稚園に通っていて,無給になる期間が3か月ほどある。ぼくの親は近くに住んでいるので,協力を得られる。奥さんもしばらく育休を取得しているので夫婦で育休ということになる。
かなり恵まれた状況だと言える。こういった状況だからこそ,【ひとり時間の確保】などと言ってられるのだ。
ぼく自身は,仕事をするか育休を取得するかで悩みに悩んだ。仕事をしたいという思いが強かった。ただ,仕事はこれから何十年も続いていく。育休を取得できる機会はこれが最初で最後かもしれないと思った。だから覚悟をもって1年も取得する道を選んだ。
置かれた状況の中で
男の育休といっても,ひとりで取得する場合や第2子での取得でも,2人とも家にいる場合,親の協力も得られない場合など,なかなか【自分の時間】なんていってられないと思う。この記事に嫌気がさす人もいると思う。
ただ,少なくとも,仕事をしているときとは,ちがう生活になっているはずである。忙しさは,仕事をしているほうが楽だったという人もいるだろう。ただ,異なっているはずである。仕事の中でしか得られない成長があるのと同じで,育休中に育児や家事をしていることでしか学べないこともあるはずだ。
今回はそういったところに注目して,ぼくが7か月経過した育休についてどう過ごしていたかを語り,参考にしていただけたらと思う。
ひとり時間をどう確保するか
ぼくの場合は,上の子が9時から14時半くらいまで幼稚園にいっているので,奥さんが下の子(1歳)と過ごすときは,自分がフリーに。ぼくが子どもと過ごすときは奥さんがフリーに。もちろん,3人で過ごすこともある。
でも,せっかくなので,自分が育休を取ることで,奥さんにもひとりの時間を確保してほしい。ぼくが働いている時は,常に子どもと一緒で,何かしたいと思っても,なかなかできない。今は,交代で子どもの面倒を見て,お互いにひとりの時間を確保できている。
夜も,子どもを20時までには寝かしつけ,20時以降に夫婦の時間,ひとり時間を確保している。
上の子は幼稚園のお迎えが14時くらいなので,幼稚園で昼寝をしない。だから,14時半に帰ってきて,公園に行ったり,家で遊んだりして17時には夕食をとり,18時にはお風呂に入り,お風呂から出たら19時30分くらいまで遊び,絵本を3冊ほど読み,20時には寝るという生活だ。1歳の子は,19時までには寝ている。
20時から23時くらいまでの時間は,自分たちの時間になるというわけだ。19時台に寝た子どもは,12時間近く睡眠時間を確保でき,翌朝は自ら機嫌よく(悪い時もあるが)起きてくれる。
子どもは,しっかり遊んでしっかり寝ることで,ストレスが軽減され,気分良く1日を過ごしてくれるように思う。そうやって満たされていくのではだろうか。
ひとり時間の過ごし方
ここから,どんな過ごし方をしたか具体的に書いていきたいと思う。育休を取得する前は,まさかこんな過ごし方をするなんて思ってもみなかった。一応,決めたことはある程度やらなければ納得しないのだが,どんどん変わっていく。思っていることも,考えていることも,やりたいことも。
家事や育児は大前提として,たくさんやっている自覚があるので,ここに書くのは,本当に自分の時間としてやったことのみかく。
資格取得の勉強
育休中に何か頑張った証がほしいと思って,資格をとった。3つ取ろうと決めた。
①ファイナンシャルプランナー3級
まず,育休に入り,家計を見直してみると,やばいということに気が付いた。本来であれば,育休前にある程度,計算しておくべきなのだが,軽く考えていた。後半の3か月ほどは無給になることも踏まえると,非常にやばい。育休なんて取っている場合ではないのでは...。
これはもしかしたら,人生設計?ライフプラン?の相談にFPのところに相談したほうがいいのではと思った。
しかし!
自分でとればよくね?
と思ったのだ。で,とった。どうやって取得したか,時間,期間,費用,勉強方法などは以下の記事を参考に。
この資格は,とって損はないと思う。何より,短期間で低コストで取得できる。しかも,家計のことは家族の生活や未来に直接的に影響する。この分野の知識はもっておいて損はない。
②ITパスポート
これこそ,なんで取ったの?と言われそうだが,やはり先ほどのFP3級と同様に,【国家資格】という響きがいい。とったぞ!と少しは自慢できるかなと。
しかも,これからはITなしでは生きていけない。ITの分野の知識が乏しいという自覚があったので,勉強してみたいと思ったのだ。それに,ぼくの子どもの世代は特にITからは逃れらない。それどころか,さらに先の未来,バーチャルの世界をも生きなくてはいけない世代かもしれない。親である自分がITの基礎を浅く広く学んでおいて損はないだろうと思ったのだ。
一応,ITパスポートを取得したことについても,書いたが,先ほどのFP取得のときの記事とあまり差はないので読む必要はない。けど,貼っておく。
資格の勉強をして本当によかったこと
そして3つ目!簿記3級!はりきって3つ取ろうと思ったのだが,ちょうど試験日に予定があったのもあるし,(その気になれば受けることはできた)縁も必要もないと感じ,受けることをやめた。
正直,取得した2つについても,今では要らないなと感じている。知識そのものはあって損はないが,およそ200時間,テキスト代受験料など2万円ほどのコストを費やして得るほどのものではなかった気もする。
でも,それは,実際に自分が勉強をして取得したから言えることでもある。
2つの国家資格を取得して分かったことは,別に要らなかったということ。当時の自分は一生懸命勉強して取りたい一心でがんばった。取ってみてわかったのは,無駄な時間を過ごしたおかげで,経験を伴って実感できたということ。そういう意味ではやはり無駄なことなんて何ひとつないのだ。
取ってもないのに,勉強してもいないのに,そんな資格いらねーとは言いたくない。
取ったからこそ,がんばって勉強したからこそ言える。
取っても意味ないよ!
そうはいうけれど,知識は無駄にならないし,資格取得のために期日があり,払ったお金があるからこそ,勉強できた。そのプロセスにこそ価値がある。ぼくは意志の弱い人間だから。試験日にせまられなくても,お金をはらわなくても,分かりやすい目標がなくても勉強できる意志の強い人間なら勉強すればいいだけで,わざわざ資格を取る必要はないと思う。
それに,ぼくにとってよかったのは,学生のときにもここまでがんばらなかったのに,【頑張った経験】をしたということ。かわりばんことはいえ,その日子どもは奥さんに任せて,自分は勉強をする。限られた時間の中で最大の成果を得られる勉強方法はなんだと考えたり,昔の学生のようにただひたすらノートに書いたり,無料の動画で知識を固めたり,過去問をひたすら解いたり…。自分ががんばったなと思えたのだ。しかも自発的に。誰にやらされるわけでもなく,親や先生にやれと言われるでもなく。
その経験こそ,もっとも得たものなのだろう。むしろ,そこに行きつくためのプロセスとして資格取得があったのなら,決して無駄ではなかったと言える。
読書
本当にこれに尽きる。読書。
資格を取るなんていう無駄な時間を過ごすくらいなら,本をもっと読めばよかったと思った。
いや,上記の通り,無駄ではないですよ。自分が何に価値をおくかに尽きるので。
そんなぼくが今最も価値をおくのは,読書。ここが難しいところで,どんな本を読むかということ。
それは,自分の好きな本をひたすら読めばいいと思うけれど,読書にもお金も時間もかかる。「はずれの本」を読みたくはない。ありがたいことに,本屋さんにいけば,ぱらぱらと本を読むことができる。
表紙の感じや,目次,前書きなどを読んで,おもしろそうだなと思えば,買えばいいし,ぱらぱらと流し読みで十分なものもそのうち分かってくる(あくまで自分の基準で)
というか,今まで読書をしてこなかった自分にとっては,ある程度,どんな本も自分のためになるありがたい本なのだが。
本って買っても読まない本ばっかりだった。けど,何を得たか学んだかはっきりしないけれど,なぜかこの本好きだなって思えるものに出会うこともある。
ぼくが出会えて良かった本は,いくつもあるけれど,育休パパへの必読書3冊を紹介したい。
育休パパへの必読書3冊
『本へのとびらー岩波少年文庫を語る』/宮崎駿
『子どもはみんな問題児。』/中川李枝子
『好きッ!絵本とおもちゃの日々』/相沢康夫
試練の子育て支援
これは,1歳の子と2人でいくので,厳密にいうと,【ひとり時間】ではないのかもしれないが,育休中だからこそ自分を成長させようと,(ある程度)自分の意志に基づいてやっていることなので,ここにかく。
男にとっては,本当にハードルが高い。子育て支援。市が運営する子育てに関する支援センターがあったり,保育園の一室がそうであったり。平日にいくと,ほとんどパパはいない。ママさんばかり。
だから,本当に行きたくなかった。今でも行きたいとは思わない。自分からママさんたちに話しかけるのもなんかだか気が進まないし,ありがたいことに話しかけてもらえても,返しがテンション高すぎたらきもいかなとか考えてしまうと,ぶっきらぼうになり,会話が続かない。ここに書いているように,育休に対する熱い思いを語りだそうものならば,確実にドン引きされる。
育休の前半は,ほとんどいかなかったが,最近は自らの意思でたくさん行こうとしている。それこそ,資格の勉強をするくらいなら,どんどん行こうと思うわけだ。なぜかというと,平日に週1,2回のペースで子育て支援に行けるなんて人生で今回限りだろうから。
特に子どもは1歳で,まだ立って歩けない。数秒立って,数歩歩ける程度だ。だから,あまり公園にも行けない。公園に行って,砂の上をハイハイしまくってどろだらけになる経験も必要だとは思うが,正直あまりやってほしくはない。
となると,室内で遊ぶしかない。そうなったときに,子育て支援センターで遊ぶことはものすごく理にかなっている。他の月齢の近い子をみることもできるし,他の子の遊び方を真似ることもできる。本当はママさんと情報交換もしてみたいが,したくはない。
それに,1歳の子とぼくとの2人で行動できるようになったのは,卒乳したことも大きい。ほとんど母乳で育っていたから,どうしても奥さんと下の子が一緒にいることが多かったが,1歳を過ぎ,乳を必要としなくなった。だから,たくさん気兼ねなく関われるようになった。
ぼくが,子どもを子育て支援に連れていっている間,奥さんは自分ひとりの時間を過ごせる。とてもいいことだ。
最高の散歩
これも子どもと一緒にやることではあるけれど,子どもをベビーカーに乗せていると,よく寝ているので結果,かけがえのない【ひとり時間】の一部になっている。
いつも3歳の子を幼稚園に連れていくとき,1歳の子もベビーカーに乗せて一緒に歩いて行く。片道だいたい徒歩15分くらいかかる。
行きは,3歳の子がよくしゃべってくれる。決して車の中からでは気が付けないような見たものについて,思い立ったことについて,昨日や明日のことについて,たくさん話をしてくれる。
ありがたいことに,子どもを連れているだけで,笑顔になってくれる人たちがいる。名前も知らない人tたちではあるが,散歩をしていると顔見知りにはなる。子どもに元気よくあいさつをするように促すのだが,これも子どもにとってはとても良いことである。
子どもの力は不思議。大人を自然に笑顔にする。そこから関わりが生まれる。そんな毎朝を過ごしていると,たぶん数年前に失っていた心の一部を取り戻す感覚になるのだ。見ず知らずの他人,子どもの笑顔を介して関われる。あいさつをするときは必ず笑顔。
子どもを幼稚園に連れていくと,そのまま帰路につくこともあるが,さらに20分ほど歩いて,大きなお城の近くにある美術館前の公園に行くこともある。その道中,1日が動き出したなと感じることができる。混む車,信号にイライラする学生,あざ笑うかのようにゆったりした朝を過ごす地域のおばあちゃんたち。
美術館前の公園につくと,1歳の子はベビーカーで寝ていることが多い。そうなると,ぼくはベンチに座って読書をする。この時間も至福の時だ。1時間ほど子どもは寝る。その寝ている間が読書の時間というわけだ。
子どもが目を覚ますと,そこからさらに10分ほど歩いて,デパートの高層階にある子育て支援センターに行く。今,自分が一番気に入っている午前中の過ごし方だ。12時前になると,家に帰り,奥さんと昼食をとる。そして,14時に3歳の子のお迎えに行く。なんて幸せな時間だろうか。
ジョギング
これははじめたばかりで現在まさに3日坊主でとまってしまったが,仕事をしているときとちがって明らかに疲れ方がちがう。肉体的な疲れ方はもちろん,精神的な疲労感も全然ちがう。
つまり,太っていくということだ。やせなくなる。維持できなくなるといったほうが正しいか。
食べる量を減らしても太ってしまうのは,年のせいもあるかもしれない。
週に1回野球をしているが,それだけでは足りない。というわけで,5キロほど走った。これがまた気持ちいい。9月中はまだまだ暑かったので10月からはじめた。3回で終わってしまった。3回が目標だった。
せめて,3日坊主といえるように。ただ,また始めると思う。体のためにも。
最近のスマートフォンには,万歩計のような機能があるので,毎日何歩歩いたか確かめている。子どもを幼稚園に連れていったり,散歩したりしているおかげで,毎日7000から10000歩は歩くようにしている。
それが著しく少なかったら,その日は走るということにしよう。もちろん,子どもを寝かしつけてから。
野球も子どもを19時前には寝かしつけてから行っている。そうすると,奥さんも19時から寝るまでの時間,ひとり時間を過ごせるというわけだ。
まとめ
せっかく,2人で育休なら,存分に楽しまねば。お互いが同じくらい家事や育児をして,お互いが同じくらいひとり時間を過ごしたり,たまには一緒に過ごしたり。
育休だからできる過ごし方。あんなに仕事をしたかったのに,諦めてまで取った育休。最大限生かしたい。
育休をとろうか悩んでいるパパさん,ママさんの参考になったかは分からないけれど,どういう形であれ,自分が今おかれた環境の中で一番よきものにすることがたいせつだと思う。
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