家事をしているとき,何を考えていますか。ただ,繰り返される作業を何も考えず,ぼーっとやっているだけ…。
そんなはずはありません!
家事は毎日のやらなければならないことです。やらないと自分を含めた家族みんなが困ります。
家事ほど,頭を使って,いかに要領よく,効率的にやることはありません。その意味でも,家事を毎日している人は,きっとものすごく頭を使っています。同時に連動して体を使っています。
だから,家事をできる人は仕事もできる!といえるのではないでしょうか。
というわけで,男だからこそ,家事で頭と体を鍛え,仕事にもプラスにしましょう!
見えないところでやってくれている家事
毎日,出てくるおいしい食事。家から無くなるゴミや埃。毎晩きれいになっているお風呂。朝起きたら整理されている部屋。
誰の仕業だろうと考えることもしませんでした。これが当たり前。気持ちの良い朝,心安らぐ夜は,こうした環境から与えられる。そんなこと気づきもしませんでした。
家事が子どもを豊かに成長させてくれる。家事=最大の育児なのかもしれない。
というか,よりよい育児をするための大前提,土台,基礎の部分が家事なのだろう。
子どもの頃,家事は母親や同居していた祖母がその役割を担っていました。ぼくは,ほとんど家事の手伝いをした記憶がありません。たまにやっていたのは,【米とぎ】と【お風呂洗い】と【ゴミ出し】くらいのもでした。しかも,週に〇回とか,曜日ごとに当番が決められているとかもなく,日常的にやっていたわけではないので,はたしてどれくらい家族の一員としての役割を果たしていたでしょうか。
母親は,きっと思っていたでしょう。大人になってもこの子は絶対に家事なんてしないだろう,と。ぼくの父親もいわゆる家事をしているところはほとんど見たことがない。家事といえば,洗濯物とか掃除とか料理とかが主なものだと思いますが,ほとんどすべて母親か祖母がやっていたと記憶しています。
ただ,父親は片付けや掃除はよくしていたようにも思います。きっと見えていないところで,誰かがやってくれている家事。今はぼくがそれをやる番になったわけです。
やらなければならないこと=やって当たり前のこと?
【やりたいこと】【やるべきこと】【やらなければならないこと】この3つをバランスよくやっていくことが人生を豊かに生きていく秘訣だと誰かがいっていました。その通りだと思います。それに加えて【やったほうがいいこと】もあると思いますが,これは,【やりたいこととやるべきことの間】にあるような気がします。
ともあれ,どうでしょうか。家事というのは,どこに位置するのでしょうか。価値観や人の感覚によって少し変わってくるかもしれません。立場によっても変わってきます。【やるべきこと】と【やらなければならないこと】のちがいは何かというと,生きることに直接かかわることではないでしょうか。
たとえば,家族の中で働き手が父親一人である場合の父親の【やらなければならないこと】は【仕事】です。もう少しゆとりのある生活をしたい場合,母親の【やるべきこと】が【パート(仕事)】になってきます。この家庭の場合における【家事】の位置づけは,逆で,母親にとっては【やらなければならないこと】,父親にとっては,【やるべきこと】になるのではないでしょうか。
そういったことも踏まえて考えてみると,やらなければならないことは,時としてやって当たり前のことになっていきます。だからこそ,気づかれにくいし,感謝されなくなってきます。それでも,やらなければならない。誰かが困るから。
父親が働かなくなったら,は?となりますよね。働け!となりますよね。それと同じです。働いて当たり前。いちいち感謝なんてされない。家事もそういう位置づけなのかもしれません。だとすれば,勤労感謝の日があるくらいです。家事感謝の日みたいな祝日も作ってほしいですね。おそらく,本来は,勤労の中にも家事の意味があるのでしょうけど,もっと光を当ててもらいたいものです。
家事=より良い育児の基礎
家事と育児は切り離して考えることではないような気がします。いつもセットです。それを男は,(ぼくも男だが)切り離して考える人が多い気がします。子どもと遊んでやっているからいいだろうとか,その間に家事しておいてくれだとか。そうではなくて,家事は間接的にものすごく育児に関わっているのではないでしょうか。家事こそ,たいせつな育児環境を整えることにつながっているからです。
いつも部屋がきれいなところで育った子は,きれいなのが当たり前になっていきます。誰かがきれいに保つために片付けや掃除をしてくれている,なんてことに気づけるのは,それから十数年後だと思いますが,体に染みついたものは決してなくなりません。汚いことに耐えられなくなってきます。子どものうちに片付けや掃除ができなくても,大人になるにつれて,幼少期に刻まれた【部屋をきれい】にしていないと耐えられない遺伝子が,自発的な掃除・片付けを身につけてくれるでしょう。
子どもに片付けをやらせたい気持ちはぼくにもありますし,実際に子どもに片付けてもらうこともたくさんありますが,どうしてもできないときがあります。子どもは,子どもの世界を生きていて,どうにもその世界から抜け出せないときがあります。大人が無理やりその世界から連れ出したときは,大人が悪いと思っているので,片付けができなくても仕方がないかなと思うのです。
子どもが駄々をこねたり,イヤイヤと片付けをしないとき,子どもが散らかしたからと放置しておくよりも,大人がきれいにしてあげて,落ち着いてから,子どもに「片づけてくれてありがとう」と子どもに言ってもらうほうが,みんなハッピーです。
部屋はきれいに保たれるし,それをしてくれたのはパパやママだと分かるし,部屋がきれいなほうがいいと子ども自身,実感できます。してくれたことについて感謝する気持ちも養われます。
そういったことの積み重ねで,自らの空間をきれいに保とう,整理しよう,という心も育っていくのではないでしょうか。
毎日のことだからこそ要領よく効率的に
育休に入る前から,働きながらにしては,家事をよくやっているほうだと自賛していますが,育休に入って,家事をもっともっとするようになりました。
具体的には,料理や離乳食です。洗濯物や掃除機,ゴミ捨て,風呂掃除,皿洗いなどは働いているときもそれなりにしていましたが,料理は休日だけでしたし,離乳食もほとんど作ったことがありませんでした。
料理なんて,本当に創造的だなと思います。これほど,頭を使うことがあるのかと。特におすすめは,今,家にあるもの(冷蔵庫にあるもの)で,どんなものが作れるかということです。これは本当にクリエイティブだと思います。
基本的に料理を作るときは,作る料理を決め,ネットでレシピを検索して,買い物にいくプロセスだと思います。創造的というよりは,プログラミング的な思考で頭を鍛えられるのでこれもいいと思いますが,こんなこともありますよね。
とりあえず,今あるもので何かを作ろう!みたいな時。もっている手札をどう使うか,しかもよりおいしく,昨日や一昨日とはできるだけ違うもの…。先ほどとは真逆のプロセスです。本当にクリエイティブだと思います。
さらに,奥さんもそうですが,全国のママさんがすごいのは,数品作るというところです。ぼくみたいな男は,いつも作るとしても,カレーとかシチューとか炒飯とかオムライスとか,一品だけで済むようなもの,一品だけで子どもに喜ばれるものしか作れませんでした。ママさんは,必ず一品では終わりません。すごすぎます。調理中,鍋やフライパンを駆使して,時間を計算しながら効率的に行います。これは仕事にもつかえるスキルだと思いました。
家事こそ最強のマルチタスク
ここでのマルチタスクは,複数のことを同時に処理するという意味もありますが,手と頭を切り離して作業をするということも含まれます。
たとえば,お皿洗いをしている時,ただ手を動かすだけではありません。ママさんたちは,あらゆることを考えています。手を動かしながら,この狭いお皿を干すところにどうやって並べれば乾きやすいか,と考えている場合もありますし,別の家事を頭でこなしている場合もあります。手では皿を洗っています。頭では,食卓やリビングを眺めながら,次どんな家事をしようか,「机ふかなくては」,「子どもの水筒も洗わねば」「ソファの上汚いな」など。
家事に勤しむママさんたちは,常に【先のこと】【次のこと】を考えています。だから,子どもや家事をしない旦那さんの一歩先をいくのです。そうしないと,自分の時間を確保できません。ママさんたちは,一分一秒が惜しいのです。だらだらと家事をやっていると時間がなくなります。素早く効率的に家事をやることで,子どもと関わる時間や自分の時間を確保しています。
自分も育休を取り,家事や育児をする中で,こういったことが分かりました。復帰したら仕事にも絶対活かせると確信しています。未だに,男の育休に対して否定的な思いをもった会社,上司がいるらしいですが,育休をとると男は必ず進化します。成長します。その成長は,仕事では得られない成長です。育休後,成長した男が帰ってくると考えれば,会社にも確実にプラスになります。全国のおじさんたち,育休を推奨しましょう。
家事ができる人は仕事もできる説まとめ
家事ができる人は,見えないところでも家事をしています。つまり,仕事を責任もってします。
家事ができる人は,効率的に要領よく仕事をします。
家事ができる人は,クリエイティブになります。
家事ができる人は,プログラミング的思考も鍛えられています。
家事ができる人は,手も頭も同時に稼働しています。
家事ができる人は,目の前のタスクをこなしながら次のことを見据えています。
家事ができる人は,時間をつくりだすことができます。
家事ができる人は,見通しをもって仕事をします。
暴論かもしれませんが,実際に,家事をする中で感じたことです。みんなが家事を要領よく効率的にすることで,仕事の能力も確実にあがります。
男のみなさん,育休を取得し,家事を極めよう!そうすることで必ず,職場でも能力を高められます。貢献度もあがります。評価も高くなります。
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