【パパも知っておこう!】乳幼児期の発達課題まとめ【エリクソン】

子育て観
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すべての父親必見!

語弊を恐れずにいうならば,「育児や子育ては誰でもできる」のではないだろうか。さらに適切な言い方ではないかもしれないが,「子どもが生まれたら親になれる」のであれば,ある一定の年齢を達すれば誰でも親になることができる(できてしまう)。

どんな人の分からないことがあれば,人に聞いたり,本を読んだりして学ぼうとする。小中学校までの公教育であれば,ほとんどの人が学校や先生は違えど,同じ内容を勉強することになる。

ただ,それから先は,自分が学びたいこと,自分に必要だと思うこと,将来の夢を叶えるための勉強を自主的におこなっていかなければならない。

では「育児や子育て」はどうなのか。本来,未経験で分からないことについては勉強し相応の知識を習得しつつ子育てをしていくのが自然である。

でも,どうだろう。父親たちよ。パパさんたちよ。

ぼくは,正直子どもが生まれても,奥さんがいろいろなところから情報を得てくれているし,何か困ったことがあれば調べればいいし,くらいに思っていた。

育休に入り,育児や子育てについての本を読むと,「なんで一人目の子どもが生まれたときに知ろうとしなかったのだろう」と後悔をした。

乳幼児期は人格の基礎をつくるとき

『子どもへのまなざし』佐々木正美

乳幼児期に父親としてどんなことをしたか,と振り返ってみると,風呂入れたり,だっこしたり,奥さんが作った離乳食を食べさせたり,スマホ片手に遊んだり…くらいのことしかしていなかった。

しかも,何の知識もなしに。

今回は,最低限の知識として知っておくといいよというものを紹介したい。

発達心理学者エリクソンが提唱した『発達段階理論』である。『心理社会的発達理論』や『ライフサイクル論』とも呼ばれる。

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エリクソンの発達段階

たまに公共のテレビ番組でも出演されている犯罪心理学者の出口保行さんの『犯罪心理学者は見た危ない子育て』という本に書かれていたエリクソンの『発達段階理論』を引用させていただく。

エリクソンは,乳児期から老年期までを8つの段階に分け,それぞれの時期における課題を提示しました。その時期に課題を達成することで大きく成長し,その後の人生に必要なものを獲得することができます。逆に,課題の達成ができなかった場合,正常な発達が阻害されてしまいます。

『犯罪心理学者は見た危ない子育て』 出口保行

そんなこと知ってるよ!という人もいるかもしれないが,きっと知らない人もいるだろう。

ぼくが「やばっ!」と思ったのは,その時期の課題を達成しなかったら,正常な発達が阻害される!?ちゃんと育たないってこと!?(語彙力ゼロ)ということだった。

こういうことこそ知っておくか知らないかで日頃のちょっとした行動や子どもへの関わり方が変わることだと信じている。

8つの発達段階

  1. 乳児期(0~1歳半)
  2. 幼児前期(1歳半~4歳)
  3. 幼児後期(4~6歳)
  4. 学童期(6~12歳)
  5. 青年期(12~20歳)
  6. 成人期(20~40歳)
  7. 壮年期(40~65歳)
  8. 老年期(65~)

上記のような8つに分けられる。

文科省のHPにも『子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題』としてくわしく記述してあるので,主にそれを参考にその時期の子どもが乗り越えべき課題をかいていく。

ベネッセ運営のページにもわかりやすいものがあるので添付しておく。

エリクソンが提唱した「ライフサイクル論」とは?年齢別の発達課題をわかりやすく解説

これらを踏まえて,親としてどんなことを知っておくべきかを視点にかいていく。

なお,育休ブログであり,自分の知識定着のためにかいているところもあるので,乳児期から幼児期後期までにとどめておく。

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乳幼児期(0~1歳半)

基本的信頼vs不信

『子どもへのまなざし』の著者である児童精神科医の佐々木正美さんも❝人を信頼できるということが,豊かな人間関係をつくるための基本であり,それがいちばんよく育つのが乳幼児期❞だとしている。

この時期に,いかに子どもと関わり,子どもの不安を取り除いてあげられるかで愛着形成を得ていくというのだ。

赤ちゃんはやりたいこともやりたくないことも,泣くことでしか伝えられない。「泣くこと」しかできる努力がないということ。

あかちゃん自身に,「泣く」という努力をすれば報われるんだ。という経験をさせてあげなければいけない。泣くという努力によって,親が助けてくれた。分かってくれた。そうやって基本的な信頼感をえることができる。

逆にいうと,泣いて泣いて泣き叫んでも放置しているor「うるさい!」と逆ギレする(子どもの要求を満たしてあげない)場合は,子どもに「努力しても無駄」ということを教えているということになる。ここで生まれるのが,人や社会に対する不信感しかないということだ。

佐々木正美さんはいう。過保護と過干渉のちがいを明確にしたうえで,子どもの要求はすべて満たしてあげればいいと。だっこだっこと言う子どもが一生だっこなんていうわけがないと。してあげられるときにしてあげればいいと。過干渉はダメで,子どもが望むこと以上のことはしなくていいけれど,過保護に育てればいいと。

希望が望んだとおりに,かなえられればかなえられるほど相手を信じるし,その相手の人をとおして多くの人を信じるし,それよりなにより自分自身を信じるし,自分が住んでいる環境,地球,世界を信じることができるのです。

『子どもへのまなざし』佐々木正美

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幼児期前期(1歳半~3歳)

自律性vs恥・疑惑

日々の家庭生活の中で,親は子どもの注意深く観察し,昨日より少しでも成長しているところを見つけ,それを言葉にしてあげましょう。

『その「一言」が子どもの脳をダメにする』 成田奈緒子

この年齢になってくると,どんどんできることが増えてくる。できることが増えると,試したくなるし,どんどんやりたくなる。もちろん,うまくはできなくてもやったことややろうとしたこと,昨日よりもできたという成長をしっかりと認めてあげることで,【自律性】が育まれるというもの。

これは大人になってからの【自己決定力】にも関係しており,親のいうことを聞いていればいいという子になってしまうとこの力が身につかない。


自己決定力は一朝一夕で身につくものではありません。いきなり大きなことを自分で決めろと言われても難しいでしょう。幼少期から小さな選択と決定を繰り返し,自信をつける中で育つものです。

『犯罪心理学者は見た危ない子育て』 出口保行

この時期の発達課題をクリアしていくことで今後の人生の大きな分岐点での決定に左右される!?と思うと,いかに幼年期の子育てが大事かが分かる。

では,反対にここで発達課題をクリアできないケースとはどんな場合のことをいうのだろうか。

子どもが一生懸命やっても親が認めず叱ってばかりいたり,そもそも「どーせできないから」と決めつけて,子どもにやらせようとしなかったりすると,「自分にはできない」「やっても怒られる」など【恥と疑念】を育ててしまうことになる。

ぼくの場合は,トイレトレーニングで信じてあげられず,おしっこをもらすたびに嫌な言い方をしている。焦らず見守ることって本当に難しい。失敗しないように無理やりトイレに行かせたり,もらすたびに落胆したり,ぶつぶつ言いながら濡れたパンツを洗ったり,そのぼくの行動ひとつひとつが子どもの【自律性】を奪っていたのかと反省。


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幼児期後期(3~6歳)

自発性vs罪悪感

乳児期に人を信じることを知り,幼児期前期には自分を信じることを得て,この幼児期後期には自分で考えて行動するといった【自発性】の獲得に向かっていく。

この時期から自分の意思をはっきりもち,自己主張が強くなりはじめる。使える言葉が増えてくることもあり,考える力も少しずつ身についていく。

だからこそ,さまざまなこと言ってみたり,してみたりするようになる。友達と遊ぶことも増えていき,トラブルが起こることも増えてくる。

ここで厳しく注意されたり,叱られすぎたりすると,自分でやった行動に【罪悪感】が芽生えてしまうという。

自分らしさを発揮するのをためらうようになり,【自発性】が育たなくなる。

子どもの自己肯定感を高めるために親ができることとしては,しっかりコミュニケーションをとることで,子どもに「ありがとう」と言われる経験をたくさんさせることだという。

子育てで大事なことは,コミュニケーションを用いて社会の中で生きていくすべ,必要なモノを手に入れる方法を子どもに教えることです。その核となるのが「ありがとう」と「ごめんなさい」の言葉なのです。

『「発達障害」と間違われる子どもたち』 成田奈緒子

子どもとの約束で守れなかった場合は,親からも「ごめんなさい」をはっきり伝えること,逆もまた然り。そうすることで,社会における「自分」の役割や存在意義を少しずつしっかりともてるようになる。

自分で考えてやったことを親がしっかり認めることが大事なのだ。

ぼくの子は今3歳でもうすぐ4歳になる。2歳後半からイヤイヤ期が始まり,ようやく落ち着きつつあるなというところだが,「子どもの【イヤイヤ期】が親の【イライラ期】にならないように」という言葉に何度も自分を内省させることができた。

子どもの発達的には極めて健全な「イヤイヤ期」に,自分がイライラしてしまう…。反省である。

4歳以降は子どもがいろんなことに興味をもつと同時に疑問をもつ【なぜなぜ期】になるというが,しっかり子どもの疑問に耳を傾け,しっかり話を聞いてあげられたり,すぐに答えを教えるのではなく一緒に考えてあげられるような親でありたい。


またこの本では,生活習慣の重要性,とにかく規則正しい生活リズムをつくるすべてのベースとなる睡眠のことがたくさん書かれている。

上記に書いてきたような,子どもの発達課題をクリアしていくためにも,まずは睡眠をしっかり確保し,子どもの心身の安定を親として保障してあげたいものだ。

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