【睡眠ファースト!】育休パパが読む『「発達障害」と間違われる子どもたち』【読むべき1冊】

育休中に読んだ本
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育休中に出会えてよかったと思える本がまた1冊増えた。題名から想像すると,発達障害の疑いのある子をもつ親を対象にしているようだが,完全な育児本である。

自分の子が発達障害であろうと,いわゆる【グレーゾーン】であろうと,まだ子どもが生まれていなかろうと,小中学生の子をもつ親であろうと,絶対に読んだほうがいい。

普段,本を読まない人もかなり読み易く,ページ数も少ないため,あっという間に読むことができる。

以前,上記のような記事を書いたが,この本も【育休パパ必読書】入り決定!


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『「発達障害」と間違われる子どもたち』概要

『「発達障害」と間違われる子どもたち』

青春出版社 (2023/3/2)

著者:成田奈緒子

著者情報

1963年、仙台市生まれ。神戸大学医学部卒業、医学博士。米国セントルイスワシントン大学医学部、獨協医科大学、筑波大学基礎医学系を経て2005年より文教大学教育学部特別支援教育専修准教授、2009年より同教授。2014年より子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表。『高学歴親という病』『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』(山中伸弥氏と共著)(どちらも講談社)など著書多数。

近年、発達障害と呼ばれる子どもが劇的に増えています。文科省が出している数字を見ると発達障害が疑われる子は、この13年で約10倍に。ただ、35年にわたって子どもの脳・育ちに向き合ってきた著者は、増えているのは発達障害の子ではなく「発達障害もどき」ではないかと話します。発達障害もどきとは一体何か、発達障害もどきから抜け出すにはどうすればいいのか――。臨床経験35年以上の小児科医が、増え続ける発達障害児の中にいる「発達障害もどき」について初めてまとめた一冊です。(amazon商品紹介ページ)

著者情報を見ると,お医者さんである上に,小児脳科学者でもあり,実際に自身が主宰するアクシスというところで子どもに関わる診断や相談などをされている人であることが分かる。

かなり専門性が高く,ご自身の子育て経験もあり,幼稚園や保育園,学校などの関連機関との連携も行っており,親御さんに寄り添った本となっている。

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【発達障害】なぜ増えた?

簡単にこの本を紹介する。発達障害とされる子が13年で約10倍に増えたことに対して,本当に増えたのか?という視点から次のことが語られる。

  1. 発達障害が増えたとされるアンケートをとったのは学校現場で教師である
  2. 発達障害の疑いのある子が増えたことを機に支援法が制定
  3. 法律ができたことにより【発達障害】という言葉自体が認知され浸透した
  4. 多くの学校で特別支援学級が増えたことでどの学校でも支援が受けられるようになった

上記のような流れで,発達障害自体が認知され,どの学校でも支援や手立てが受けられるようになったことは,良い変化といえる。

だが,著者は,それによって【発達障害もどき】が増えたと警鐘を鳴らしている。

たしかに,昔は特別支援学級はどの学校にもなかったと思う。現在では,どの学校でもあるようだ。それに,友人も保育園で「発達障害の疑いがあります」と言われ,激怒していた。

まず,子どもと関わり「もしかしてこの子は発達障害なのか…?」と思うのは,親か幼稚園や保育園などの先生だ。

何をもってそう判断するかというと,おそらく以下のようになる。

  • 3歳を過ぎても言葉が出てこない
  • 癇癪を起す
  • 友達と遊べない
  • すぐに手が出てしまう
  • 人の話を聞けない・理解できない
  • 極端に不器用
  • 座っていられず常に動き回る

これに少しでも当てはまれば「発達障害かも?」と思う人自体が増えたことが一因であるようだ。

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【発達障害】と【発達障害もどき】とは?

発達障害は,脳の発達に関わる生まれ持った機能障害です。

『「発達障害」と間違われる子どもたち』第1章「発達障害」と間違われる人が増えている。

ADHDやASD,LDなど聞いたことがある人はたくさんいると思う。本書では,多くの医師がつかっている診断の手引書に書かれている診断基準が載っている。

多くの「もしかしてこの子は発達障害かな?」と思う人(親や保育園,幼稚園,学校の先生など)は,厳密な診断基準を知らない。

つまり,発達障害のような行動をとっていても,誰かに言われようと発達障害かどうかはまだ分からない。

もしそういった症候があったり,誰かに言われたりしても焦らず落ち着いて考えることが必要である。

著者は,そういったことを踏まえて「発達障害もどき」が増えたのではないかと語っている。

「発達障害もどき」とは,発達障害の診断がつかないのに,発達障害と見分けのつかない症候を示している状態。

『「発達障害」と間違われる子どもたち』第1章「発達障害」と間違われる人が増えている。

「発達障害もどき」の3つのカテゴリーのことや,実際に「発達障害」と診断されるまでに必要なことや,著者が診断した実例などをもとに詳しく説明してあるので,本書を買って読むことをおすすめする。

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「発達障害もどき」から抜け出す方法

発達障害もどきを改善していくには,【子どもの脳育て】が必要と書かれている。

子どもの脳育て

脳が発達する順番はどんな人でも同じです。

(中略)

①からだの脳→②おりこうさんの脳→③こころの脳。の順番に,脳の部位を育てていくことが健全な脳の発達には欠かせないのです。

『「発達障害」と間違われる子どもたち』

これも詳しくは,本を買って読んでいただきたいのだが,要するに,「食べる・寝る・動く・体温調整」などの機能をつかさどる【からだの脳】が育たないと,「言葉・計算・知識」をつかさどる【おりこうさんの脳】や「感情のコントロール・思考力」などをつかさどる【こころの脳】も育たないということ。

育休ぼく
育休ぼく

もう一度いいます。

【からだの脳】が育たないと,【おりこうさんの脳】も【こころの脳】も育たない。

この脳の発育のバランスが崩れると…【発達障害もどき】になる。

この話も,ぜひ本書を手にとり,実例や実際の著者の言葉を読んでいただきたい。

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睡眠が子どもの脳を変える

睡眠を変えて,気になる症状が消えた子がたくさんいる。

『「発達障害」と間違われる子どもたち』第3章 睡眠が子どもの脳を変える。

この章では,とにかく!いかに!睡眠が大事かが書かれている。睡眠さえ改善すれば,【発達障害もどき】の症状が消えるということだ。

逆にいうと,【発達障害もどき】の症状は,乱れた生活習慣から生まれるということでもある。

著者が診察し,助言をした子たちのほとんどは,生活習慣(とくに睡眠)に大きな問題があったようだ。

睡眠を変える具体的な方法や睡眠の質の向上についてもたくさん書かれている。

共働きが当たり前となった社会では,ママさんもなかなか睡眠時間が確保できない現実もある。

仕事から帰るのも遅くなることで,子どもの夕食やお風呂の時間も遅くなるという人が一体どれくらいいるだろうか。

そんな悩みを抱える人にこそ,この本を読んでもらいたい。

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まとめ

とにかく睡眠が大事。睡眠次第で,子どもの言動が大きく変わる。朝6,7時に自分から起きて,夜8時までには寝る子になっても,それでも【気になる行動】が変わらない場合は,【発達障害かな?】と疑い,専門機関へ受診すればいい。

上記に引用した内容以降の【第4章】では,「親と先生(幼稚園や学校など)のスムーズな連携が子どもを伸ばす」こと,【第5章】では,「子育ての目標」について詳しく書かれている。

分かりやすい挿絵や図,グラフなどのデータ,著者が診察した実例など,かなり読み易く理解しやすい内容となっている。

育休パパはまずこの1冊を!

育児初心者のママさんにもおすすめ!

子どもについて悩みがある人にもおすすめ!

子どもと関わる仕事をしている人にもおすすめ!

親がやるべきことは,自分がまっとうに生きる姿を通して,子どもを導くことです。

引用:『「発達障害」と間違われる子どもたち』第5章 子育ての目標は「立派な原始人」を育てること。

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