【子育ては4タイプ!?】30代育休パパが読む『犯罪心理学者は見た危ない子育て』【子育ては未来への投資】

育休中に読んだ本
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「犯罪心理学者が子育て!?」どう関係しているの?ただ,タイトルに惹きつけられるものはある。しかも「危ない子育て!?」危ないってどういう意味だろう?将来,犯罪者にしてしまうような子育てということか?将来,犯罪をおかしてしまう人は子育てに何らかの原因があるということなのか?全く関係ないとはいえない気がする。

題名からいろいろと想像してしまうが,ひとまず読んでみよう。読んでみると,なるほど。確かに,子育てや教育と犯罪というのはつながっている。直接的ではないにしろ,それがすべての原因というわけでもないにしろ,非常に大きな原因ともなり得るのか。

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『犯罪心理学者は見た危ない子育て』概要

『犯罪心理学者は見た危ない子育て』

著者:出口保行

SBクリエイティブ (2023/8/5)

法務省心理職として1万人を超える非行少年・犯罪者を見てきた著者は、子育てには心理学者サイモンズの分類した4つのタイプが存在すること、また、いずれかのタイプに偏った家庭に犯罪者が育つことを確信しました。

非行少年・犯罪者の育った家庭環境の事例とともに、各タイプにありがちなこと、気をつけるべきことを解説する、やさしい子育て入門書です。(amazon商品紹介)

こういった本は,著者情報もおさえておくと,何をベースに,どういった視点で論を展開していくかが分かりやすくなる。

著者情報 

犯罪心理学者。1985年に東京学芸大学大学院教育学研究科発達心理学講座を修了し同年国家公務員上級心理職として法務省に入省。以後全国の少年鑑別所、刑務所、拘置所で犯罪者を心理分析する資質鑑別に従事。心理分析した犯罪者は1万人超。その他、法務省矯正局、(財)矯正協会附属中央研究所出向、法務省法務大臣官房秘書課国際室勤務等を経て、2007年法務省法務総合研究所研究部室長研究官を最後に退官し、東京未来大学こども心理学部教授に着任。2013年から同学部長を務める。内閣府、法務省、警視庁、各都道府県庁、各都道府県警察本部等の主催する講演会実績多数。独自の防犯理論「攻める防犯」を展開。現在、フジテレビ「全力!脱力タイムズ」にレギュラー出演するほか、各局番組にて犯罪解説等を行う。(amazon著者情報より)

すごいとしか言いようのない経歴。官僚経験もありながら,実際に少年鑑別所や刑務所などで心理分析も行っている。実際の経験に裏打ちされた理論がしっかりとありそうだ。そもそも東京学芸大学で教育関係や発達心理学についても修められている。子育てや教育の分野にも精通していることも伺える。

経歴だけみると,お堅いイメージもあるが,実際にテレビで見たことある人も多いのではないか。やさしそうなイメージもあるし,場の空気も読める,それでいてこの申し分ない経歴。


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自覚なき「危ない子育て」

題名にもある【危ない子育て】という言葉が何を意味しているのか。

結果的に子どもが非行にはしったとする。それは,確かに子どもがやったこと。親の知らないところで子どもがやったことの場合がほとんどだ。しかし,筆者がいうには,その原因は「危ない子育て」が背景にあるのではないかということ。やっかいなのは,親が自覚なしに,もしくは良かれと思ってやっていることが「危ない子育て」の場合もある。

子育てに正解はなく,失敗や間違いばかりというが,少なくともそうやって親が自分の子育てはこれでいいのかと悩んでいるようだと,改善の余地はあると思う。

子どもがひとりで勝手に悪くなることはありません。

『犯罪心理学者は見た危ない子育て』 出口保行 著

この言葉を見て,どう感じるだろうか。子どもが最も多く関わる大人は親だということを今一度,心に留めておきたいと思った。

親も未熟だからこそ,学び続けて少しでも良い大人,良い親になっていきたい。そういう意識で生きていれば,きっと子どもにも少しは良い影響を与えられるのではないだろうか。あまり意味がないかもしれないが。

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4タイプの子育て

子育てには4タイプあるそうだ。1939年にアメリカの心理学者のサイモンズが親の養育態度の方向性は4つに分けられ,そこから子育てには4つのタイプがあると発表した。簡単に紹介するが,不十分なので詳しくは実際に本書を手に取ってじっくり読んでほしい。

  1. 過保護型…子どもを過剰に支配し保護する。
  2. 高圧型…子どもを受け入れず支配的に振舞う。
  3. 甘やかし型…子どもの言いなりになる。
  4. 無関心型…子どもに拒否的で主体的に関わろうとしない。

パッと見ただけで自分はこれかなと思うタイプがあるだろうか。自分は過保護のような気もするし,甘やかし型のような気もする。

というか,この本を読んでいる時点で,おそらく無関心型ではないだろう。子どもに無関心な人は子育てについて学ぼうとしないというのは偏見か?

筆者は,どのタイプが良くて,そのタイプがダメということを言っているのではなく,どのタイプだとしても,それが1つのタイプに偏りすぎている場合が「危ない子育て」として警鐘を鳴らしている。

自分が親としてそのタイプかなと考えることは子育てをする上で把握すべきことだが,自分の親はどのタイプで,自分はどう育てられたかを考えるのはとてもおもしろい。

親といっても,父親と母親ではちがうし,ぼくの場合は祖父母と同居だったので,親よりも祖父母と一緒にいる時間のほうが長かった。祖父母もタイプがちがう。

父も母も祖父も祖母も,基本は過保護型のような気がするけど,父は高圧なところもあったような…。母や祖母は甘やかし型の面もあったような…。

ぼくは過保護型に育てられたから,自分も過保護型なのか…。

自分は過保護型と自覚したとしても,奥さんから言わせるとちがうかもしれない。こういったことも夫婦で話し合ってみるとおもしろいと思う。ぜひ!

以下,内容の全体をかくのではなく,キーワードをひろってそれについて自分の考えや感想などをかいていく。

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なるべく叱らないために

事前にしつけることができていれば,あとから叱る必要もないのに,事前に言ってくれないから叱られる。

つまり適時性がまずいと,叱られる回数が増えるのです。

『犯罪心理学者は見た危ない子育て』 出口保行 著

親だって,なるべく叱りたくない。叱っていいことなんてない。その場はおさまったとしても,反抗心を植え付けていくだけだ。

でも,やってはいけないこと,危ないことをやってしまうと,叱らざるを得ない。叱らなかったら,叱らなかったで,同じ過ちを繰り返してしまう。

子どもが失敗しないように失敗を回避させることが良いこととは限らないから,少し難しく感じるかもしれない。

信号を守ることや他人の家(の敷地)に勝手に入ってはいけないといったことは,失敗させる必要はない。事前にしつけておけばそんなことはしなくなる。教えてもいないのに,やらかしたらすぐに怒るのはよくないということだ。

失敗をしても叱ることがすべてではない。なせいけないことなのか,子ども自身にも考えさせながら,落ち着いて話ができる関係性になっておきたいものだ。

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親子の信頼関係

理由も分からず言うことが変わると子どもは混乱します。言うことがコロコロ変わる人のことを信頼はできません。

(中略)

修正する際に大切なのは,子どもにもきちんと伝えることです。

『犯罪心理学者は見た危ない子育て』 出口保行 著

親も人間だから,その時の状況で言っていることが変わってしまうことがある。気分で変えてしまうのはよくないが,無自覚的に自分の都合で子どもに押し付けてしまうこともある。

前は叱ったのに,今回は叱られない。兄は怒られないのに,自分は怒られる。褒めてくれていたことが褒めてくれなくなった。

子どもは混乱する。だから,信頼できなくなるし,何が正しくて何がいけないことなのか分からなくなる。

子育てに関することも,様々な情報の中で良いとされていることをやってはみるけど続かない。子どもからすると,あれ?と思うことが増えてくる。

子育ての方針も両親である程度一致,少なくとも把握しておくことは必要だろう。何より,子どもに伝えることが一番大切だと筆者はいう。

子どもに言っても仕方がないとバカにするのではなく,一人の人間として扱うべき。「今まではパパがやってあげていたけど,○○ちゃんにできるようになってほしいから,パパはやらないよ。自分でできるようになろうね」などとしっかりと言葉で伝えることが必要。

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やる気が出る目標の決め方

やる気が出る目標は,その子にとって価値が感じられるものである必要があり,難易度はその子の達成動機によって変わるということです。

『犯罪心理学者は見た危ない子育て』 出口保行 著

アメリカの心理学者のアトキンソンの期待価値理論によると,【期待×価値=やる気】だそうだ。

自分には達成できる!という期待とこの課題を達成するといいことがある!という価値のかけ算で,やる気が高まるということ。

子どもが小さいうちは,親がわが子のことをしっかり見て,この子なら達成できそうという期待と,達成したらこんなに自分のためになるんだという価値を感じられるような目標を定めてあげると,やる気をもって挑戦する子になる。

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甘やかすのではなく,甘えさせよう!

「甘やかし型」に偏った親の多くは,「甘え」と「甘やかし」の区別がついていません。

「甘え」は子どもの愛着形成に必要なものです。情緒の安定や正常な心理発達に欠かせません。

『犯罪心理学者は見た危ない子育て』 出口保行 著

信頼できる人にくっつくことで愛着が形成される。おなかがすいた,不安,眠いなど,言葉にできず泣くことしかできない子どもをだっこしてあげると安心して落ち着く。こうした行動の繰り返しで愛着が形成されるということだ。

ぼく自身も,ねだられるからと言って,簡単にだっこしてはいけない!と思っていたが,だっこも愛着形成に必要なことらしく,その後の発達にも大きな影響があるようだ。

みなさん,どんどんだっこしてあげよう!!

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放任の誤解~主体性のある子へ

「放置」と「放任」,言葉は似ていますが,意味はまったく異なります。

「放任」は,前提に信頼があります。子どもを信じて,子どもの主体性に任せる養育方針が放任主義です。

『犯罪心理学者は見た危ない子育て』 出口保行 著

うちは放任主義だから,といってる家庭の中にただ「放置」しているだけじゃないか?という場合がある。

放任主義で,子どもの主体性に任せて育てたいのなら,まず安全に関わる事項や社会規範を教えておく必要があるとのこと。

親子の信頼関係があってこそ,放任主義は成り立つようだ。

❝「放置」とは,子どもに無関心でほったらかしにしている状態❞のことで,親が自分自身のことしか考えていないし,教えるべきところを教えていないので,社会に適応できない勝手な子に育ってしまうのだそう。

放任主義で自由に育てたいのなら,子どもが小さいうちにたくさん関わって,生活の中でルールやマナーなどの社会規範を学ばせつつ,親子の信頼関係を築いておく必要がある。

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まとめ

今回は,『犯罪心理学者が見た危ない子育て』/出口保行著を紹介した。ほんの一部を引用しつつ,感想を述べた。

この本には,まだまだたくさん学べることがある。小さい子をもつ親も中学生くらいの子をもつ親も読んでおくべき一冊といえる。

無自覚に,犯罪や非行に手を染めてしまうような子育てはしていないか?

まずは自分が人として成長する意識をもち,自分の子育てを振り返りつつ,自分のやりたい子育て,子どもにとってより良い子育てをしていきたい。そう思わせてくれた。


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