ぼくは,1年間(2023年4月~2024年3月)の育休を取得しています。
このブログの目的
「男の育休は必要か」の実証実験
その結果として「男性の育休取得率の向上」
ぼくの育休に対する考え方や実際の過ごし方,育休に関する制度を発信しています。
このブログをきっかけに,「育休を取得したい」人が増え,「育休を取ることで人生が豊かになる」ということが伝わればいいなと思っています。
夫婦で育休を取っているからこそ,自分の人生,家族の将来など真剣に落ち着いて考えられる期間にもなります。
今回は,育休中にやったことの1つ「FP3級の取得」について書いていきます。
人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。ファイナンシャル・プランニングには、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要になります。これらの知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家が、FP(ファイナンシャル・プランナー)です。
引用元:日本FP協会「FPとは」
要するに,ぼくの解釈では,
「どう生きていきたいか」を実現するために,
人生設計や最低限の必要なお金の知識を得られる資格だね!
1.FP3級を取得しようと思った理由
収入ゼロという現実
ぼく自身,このブログを通じて「男も育休を取ろう!」と言いたいわけですが,現実的に,長期間の育休を取得するとなると,収入ゼロ(無給)の時期を過ごさなくてはいけません。
子どもが生まれたタイミングと育休取得のタイミングをうまく合わせられれば,無給期間を避けられる場合もあります。
育児休業開始から180日目までは休業開始前の賃金の67%を支給し、181日目からは、従来通 り休業開始前の賃金の50%を支給します。
引用元:厚生労働省リーフレット
要するに,だいたい子どもが生まれて半年間は,給料の67%支給されて,
それ以降の1歳になるまでは給料の50%支給ということ
ちなみに,夫婦ともに育休の場合は,子どもが1歳2か月まで給付される「パパママ育休プラス」があるよ。
というわけで,収入ゼロとはいかないまでも,かなり収入が減った状態の期間を過ごさなくてはいけません。
これは是が非でも「お金の勉強」が必要だ!と思ったわけです。
いろいろと調べていくうちに,お金の勉強に最適なのが,「FP取得」だということが分かりました。
FP3級のための勉強をしていくうちに,お金に関する知識を身につけることができ,今後の人生が大きく変わっていくのではないかという予感がありました。
育休中に何か1つでも「がんばった」と言いたい
FP3級取得の理由は,ほかにもあります。育休をとったからには,育児や家事のスキルを身につけることは当然ですが,「せっかく仕事を休んでまで育休をとったのだから,何か1つでもがんばったといえる何かをしたい」という思いもありました。
男で育休を取得すると,わりと友人や知人から「育休中なにして過ごすの?」「育休中何してたの?」と聞かれます。なんか答えにくいんですよね。この質問。
なので,「自分の中で何か1つでもやったぞ!」という何かがほしかったわけです。人に自慢できる資格ではないのですが。
取るだけでは意味がない
正直,FP3級という資格は,国家資格ではありますが,資格を持っているだけでは何の役にも立ちません。それなりに勉強すれば,誰でも合格することができるし,合格率は80%を超えます。この資格を持っているから,就職や転職に大きくプラスになるとは思えません。
すべての資格に言えることですが,保有しているだけでは意味がなく,どう活用するかが大切だと思います。「立場」や「肩書」に関してもそうですが,それ相応の振る舞いや実績,結果,内容が伴わないと意味がないのです。
育休に入ると,日々,家族と多くの時間を共有する中で,ある問いに向き合うことになります。
「どう生きていきたいのか」
生きていくために必要なことはたくさんあります。夢や希望を含めて。
夢とまでいかなくても「目標」はありますよね。
希望とまではいわなくても「願望」はありますよね。
子どもは3人欲しい。新築の家を建てたい。良い車に乗りたい。年に1度は海外旅行にいきたい。やりたいことを仕事にしたい。子どもに習い事をたくさんさせたい。子どものやりたいことを叶えてあげたい。
これらのことを叶えるために必要なことは,たくさんありますが,絶対になくてはならないものは,「ある程度のお金」です。
FP3級の資格は,転職や就職などに全く役に立たなくても,その知識を活用すれば,自分の人生設計や家族の未来にとって大きく役立ちます。
2.FP3級試験の概要
どうやって受ければいいの?実施機関や試験日程等
FP3級の実施機関は2つあります。日本FP協会と金財(一般社団法人 金融財政事情研究会)です。どちらを受ければよいのかというと,「日本FP協会」の試験です。
金財の試験でもいいのですが,ほとんどの人がFP協会の試験を受けます。金財の試験は,実務経験がある方や実際にFPに関連する企業などで務めている人が,会社から受けてくれと頼まれる場合が多いそうです。
日本FP協会の試験は,年に3回あります。1月,5月,9月です。年に3回チャンスがあるわけですが,ぼくは5月試験を受けました。
試験の申込については,こちらの日本FP協会のHPからできます。試験会場についても,全国100か所近くあるので,居住地の近くで受験することができます。
申し込みの際に,選択はできますが,希望地を申請するだけで,もしかしたら,第一希望の場所ではなくなるかもしれません。試験会場については,試験2週間前ほどにメールや受験票のハガキにてようやく分かるので注意が必要です。
試験は,学科と実技に分かれており,両方が合格しないと3級の資格は得られません。ただ,実技と言っても,実際に何かするわけではなく,モデルケースに応じてどう対応するか,どう計算するかといった選択問題です。勉強していれば問題なく解けます。
合格の正答率も学科・実技ともに6割なので,難易度は低いと言えるでしょう。
勉強時間の目安
ファイナンシャルプランナー(FP)3級の試験に合格するために必要な勉強時間は、80〜150時間程度が目安となります。 1日2時間勉強するのであれば、2〜3カ月程度の期間が必要になる計算です。 ただし、これはあくまでも目安です。 個人のライフスタイルや実務経験の有無などで、必要な勉強時間は変わります。
引用元:ユーキャン「FP3級の勉強時間の目安」
育休中に2~3ヶ月も勉強するなんて難しいですよね。1か月半もあれば取れます。ただ資格を取りたいだけなら,4週もあれば十分だと感じました。
3.育休中のFP3級を取得するために
奥さんの理解を得る
育休中だからといって,なかなか勉強時間を確保するのは難しいです。育児や家事の合間にやるしかないわけですが,ここでも奥さんとの協力が必要になってきます。以下の記事を参考に,自分の時間や夫婦の時間,家族の時間を確保し,確保した自分の時間を活用して勉強することをおすすめします。
育休中にFPを取得することは,奥さんの理解が大前提です。FPの知識を得ることは,「人生設計につながること」「家族のためになること」を伝えてください!
奥さんの同意を得て,気持ちよく勉強できるかは,いかにFP3級の知識が生きていくためにプラスになるか,あなたのプレゼン能力にかかっています!
資格取得にかかる費用(独学でも受かる!)
あの…受験料として8000円くらいかかるのですが…。
テキストも2冊くらい買いたいのですが…。
もちろん,ただでは受けられません。必要な費用は,受験料とテキスト代のみです。
「勉強苦手だし,国家資格だし,予備校とかの通信講座に申し込んだほうがいいの?」と思われる方もいるかもしれませんが,十分独学で合格可能です。
検索してみると,どの通信講座でも,月に4000円やトータル3万円ほどの受講料がかかってきますね。
「人生において必要なお金の勉強」をするのに,無駄なお金を払う必要はありません!!
独学でやって,受験料8000円とテキスト2冊合計3000円程度で十分です!!
4.育休中の勉強方法
実際の勉強時間
ぼくは,2023年5月28日の試験を受けました。勉強を始めたのは,4月17日なので,約6週間ということになります。
土日は,上の子も幼稚園がないので,勉強する時間を確保することができませんでした。
5月のはじめの週も,ゴールデン・ウィークで奥さんの実家に帰ったり,少し遠出をして子どもと遊ぶ時間を確保したりしていたので,あまり勉強できていません。
ということで,実際に勉強した日数は,だいたい25日程度です。
ただ,1日の勉強時間は,1時間半~2時間半程度は確保していました。しかし,2時間ずっと机に座って,ノートに書いたり,問題を解いていたりしたわけではありません。
以下,詳しく書いていきます。
これさえやれば受かる!実際の勉強方法
使用したテキスト
ぼくがつかったテキストは,「みんなが欲しかったFP3級の教科書」と「みんなが欲しかったFP3級の問題集」です。
FP3級の試験内容(範囲)は以下のようになります。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業継承
試験というものは,ただ試験に受かる,短期間で合格さえできればいい,という人もいると思いますが,大切なのは,生きた力の習得です。資格を得ても生かさなければ意味がありません。できれば意味のある知識として定着させたいものです。
ただ,受からなければ意味がないので,短期間で合格かつ使える知識として習得するための勉強方法を紹介します。(個人的な意見です。)
最強サイト「過去問道場」
ぼくは,このサイトのおかげで受かったといっても過言ではありません。
その名も「過去問道場FP3級」!!!
家事や育児の合間など,なかなかまとまった時間が取れないときは,本当にお世話になっていました。寝る前に寝ころびながらでもできるし,何かの待ち時間にもできます。
分野指定もできるし,過去に実施した試験の指定もできます
受験当日までに,過去問の結果を9割にしておくと安心です!
無料の講義動画「ほんださんの東大式FPチャンネル」
最近の世の中は非常に便利で,本来ならば通信講座で数万円支払って受けるような講義動画を無料で見ることができます。多くのFP試験受験者がこの方のお世話になっているようです。
このチャンネルで推奨されているテキストは以下です。
この「ほんださんFPチャンネル」には,ぼくもお世話になりましたが,はじめから動画での学習は個人的にはおすすめしません。
まず,自分でテキストを読み,必要があればノートに書くということを先にやっておくと,動画で学習したときに,腑に落ち,自分の中に入ってきます。
最短で合格を目指すやり方としては,いいと思いますが,まず自分で学習するという道をおすすめします。
最も大事!!「自分事」としての学習
勉強するにしても,ただ文字を読んだり,説明を聴いたり,問題を解くだけではインプットのまま終わってしまいます。
最も大事なのは,自分事にして実践してみるということです。
たとえば,1つの目の学習内容である【ライフプランニング】で「キャッシュフロー表」や「バランスシート」などの学習をしたら,実際に自分の家族や人生に当てはめてみて,作成してみることです。
これが何よりの勉強になりました。引き出しの中から自分の源泉徴収票や給与明細を取り出し,奥さんと会話しながら,人生設計を考え,見様見真似でキャッシュフロー表を作成していく。
奥さんと会話しながらやると楽しいですよ。あまり乗り気ではないときは避けたほうがいいかもしれませんが…。
いつ車乗り換える?
〇年後は,子どもたちは〇歳だからお金要るよね!
3人目の子どもを出産するとしたら〇年後かな?
子どもの入学の年はお金かかるよね
ほかにも…
- 【リスク管理】の分野で,自分が加入している保険について見直したり,実際に○○のような事故に合うと保険金が○○円ということを計算したり…。高額療養費制度を踏まえた保険の見直しなど。
- 【タックスプランニング】の分野で,自分の「納税通知書」と給与明細を照らし合わせて,税金の計算をしてみたり…。
- 【金融資産運用】の分野で,投資信託について調べたり,NISAに加入した場合のシミュレーションをして,将来の資産形成を計算してみたり…。
こういったことを実際に,自分の家族,自分の収入などに当てはめてやると,意味がある生きた知識になります。ただ暗記して合格では意味がありません。
最低でも約12000円ほど支払って取得する資格です。その対価に見合うだけの勉強をしましょう!!
実際に保険いくつかやめたよ!
後で気付いたのですが,このやり方が実技試験の勉強に勝手になっていました!ぜひ,やってみてください!
勉強のタイムスケジュール
だいたいですが,ぼくの勉強スケジュールを紹介します。
1~3週目は,1日2時間くらい1分野の1単元くらいをテキストを読み,ノートに取り,終わったら問題集で練習問題を解く。上記のように自分に当てはめてできるものは,実際にやってみました。
過去問道場をやる時間は,合間の時間や寝る前など,立っていても座っていても寝転がってでもスマホでできます。
4~5週目から「ほんださんのFPチャンネル」にお世話になりました。自分の理解が乏しいところや問題をよく間違えるところなどを中心に学習しました。
ぶっちゃけ,4週目の時点でどの分野も過去問では8割を超えていたので,
4週あれば受かります!
ただ,それなりのお金(12000円)と時間(トータル80時間ほど)を投資しているので,何が何でも受かりたいと思い,6週目もひたすら過去問を解きました。
5.最後に
得たもの
学科・実技試験ともに9割を超えて合格しました。得たものは,FP3級という国家資格だけではありません。勉強をしたおかげで不要な保険をやめました。不必要な出費を抑えることもできています。
生活が少し変わりました。必要ないものと必要なものを自然と無理なく判断して,本当に必要なものやことに堂々とお金を使えるようになっている気がしています。
12000円と80時間以上のリターンを得られるかは今後「どう生きるか」にかかっています。
受かって終わりではない資格です。だって,持っているだけでは意味のない資格ですから。
FP3級相応の知識のみが欲しいという方はわざわざ試験を受ける必要もないと思います。
ぼくは弱い人間なので,受験料を払ったこと,試験日が決まっていることで,逃げ道をなくさないと勉強なんてできません…。
なんかうれしい
試験が終わった時点で,合格間違いなしと分かっていましたが,実際に合格通知がくると「なんかうれしかった」です。
試験や受験って,子どものとき以来,学生のとき以来でした。試験当日までの不安,当日のわくわく感,ちょっとした緊張感…。
仕事でも何度も何度も修羅場や勝負の時は経験しますが,それとはまた違った何かがありました。30歳を超えて,試験を受けるって思いつきもしませんでした。
受かった後の,満足感,高揚感,充実感,達成感,安堵感,たまりませんよ!
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