【夢を生きる】『アルケミストー夢を旅した少年』に学ぶ現代の生き方。【今を生きる】

育休中に読んだ本
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最も大切なことは,少年が日々,自分の夢を生きることができることだった。

『アルケミストー夢を旅した少年』 パウロ コエーリョ作

世界で最も読まれた本ランキング1位は『聖書』である。そのランキングの5位に位置するのがこの『アルケミスト』だ。ハリーポッターシリーズや指輪物語に続く5位である。上記の有名な2作品はシリーズものだが,この『アルケミスト』は単作だ。なぜ多くの国で訳され,読まれているのか気になったので読んでみた。ちなみに日本語の副題は『アルケミストー夢を旅した少年』となっている。

若干,思想が強めで哲学的な物語でもある。主人公の少年が夢の実現のために旅をするという単純なお話の中に,より良く生きていくヒントがたくさんちりばめられている。

夢を生きることとはどういうことなのか。

生き方のヒントになる言葉や考え方などを引用しながら,ぼくなりに紹介していきたい。


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『アルケミスト』概要

『アルケミストー夢を旅した少年』

‎ KADOKAWA; 一般文庫版 (1997/2/21)

パウロ コエーリョ 作

原著は,1988年にブラジルより発表。1993年にアメリカで国際的なブームとなる。

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」「前兆に従うこと」少年は、錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。欧米をはじめ世界中でベストセラーとなった夢と勇気の物語。内容(「BOOK」データベースより)

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夢を生きる≒夢を見る

「夢を生きること」の対比として,「同じ毎日を生きること」と「夢を見ること」が描かれている。

主人公は当然,夢を生きているわけだが,「同じ毎日」を生きる人々がたくさん登場する。「夢を見ること」は「夢を生きること」ではない。

人は,自分の夢見ていることをいつでも実行できることに,あの男は気づいてないのだよ。

『アルケミストー夢を旅した少年』 パウロ コエーリョ作

人によって「夢」の捉え方はちがう。往々にして,叶いそうもないことを「夢」と位置づけ,がんばれば叶うことを「目標」とする場合が多い。

ここでいう夢とは,壮大なものだ。遠い夢のことだ。現代人があきらめて追うことすらしなくなった夢のことだ。

事情はたくさんある。理由もたくさんある。言い訳もたくさんある。夢を追えないのか,追わないのか。

夢を追わないことで守れるものがある。夢を追うことで得られることがある。どちらを優先するのか。現代だとそういった尺度のような気がする。

特に家庭がある場合は。

夢を見ているだけで幸せということもある。

もしわしの夢が実現してしまったら,これから生きてゆく理由が,なくなってしまうのではないかとこわいんだよ。

『アルケミストー夢を旅した少年』 パウロ コエーリョ作

「夢」を追わず,見ることが生きていく理由になる場合もある。同じ毎日を生きていくための言い訳として夢をつかう。

どんな人間にも夢はあったはずだ。思い出せるかな。メジャーリーガーになりたかった。冒険家になりたかった。いつ無理だと分かった。なぜ無理だと分かった。いつ目指すことさえやめた。そもそも目指してすらなかったのではないか。その程度の夢だったのだ。そうやって「夢」は自分の努力する力さえも奪っていくのか。

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すばらしいことに気がつけるように

彼女にとっては毎日が同じだった。毎日が次の日と同じということは,太陽が昇るというような,毎日起こっているすばらしいことに気がつかないからなのだ。

『アルケミストー夢を旅した少年』 パウロ コエーリョ作

「夢を生きること」の対比として描かれる「同じ毎日」。

【同じ毎日を生きること】で何を得られるのか。安定か。安心か。

ここでぼくが言いたいのは,たとえ他人は同じ毎日のように見えても,自分なりに意味を見出すことができれば,それ自体がすばらしいことではないかということだ。

これも言い訳かもしれないが,描いた夢を実現するために行動できない状況というものもある。夢を追うことで失うものが大きすぎる場合もある。

だから,毎日の中で,同じ日常の中で,自分なりに「違い」を見出せばすばらしい人生になるのではないかと思うのだ。

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今を生きる

私は過去にも未来にも生きていないからです。私は今だけにしか興味をもっていません。もし常に今に心を集中していれば,幸せになれます。

(中略)

人生は,今私たちが生きているこの瞬間だからです。

『アルケミストー夢を旅した少年』 パウロ コエーリョ作

こういった話もよくなされるが,過去にしがみついていては,未来をつかめないとか。過去ばかりみてると前向きに生きられないとか。

今しかない瞬間をどう生きているのか。

未来のために今を犠牲にする?

過去のせいで今を無駄にする?

どちらももったいない生き方のように感じる。

ただ,人それぞれ。自分は今とどう向き合うのか。過去あっての今だ!だから過去をたいせつにすることは素敵なことだと思う。

過去をどう位置付けていくか。今この瞬間も,瞬間的に過去になっていく。未来は今になっていく。おもしろいし,不思議。

過去,今,未来。

ぼくが好きな考え方は,どんなに恥ずかしい過去でも,今どう生きるかで,その過去自体の捉え方や価値のようなものは変えられることだ。

後悔ばかり残る過去のおかげで人として成長すればその過去は無駄ではなくなる

もしおまえが,現在によく注意していれば,おまえは現在をもっと良くすることができる。そして,おまえが現在を良くしさえすれば,将来起こってくることも良くなるのだ。未来のことなど忘れてしまいなさい。

『アルケミストー夢を旅した少年』 パウロ コエーリョ作

今をどう生きるかで過去が変わることと同様に,今を良く生きることで未来も必ずよくなる。

こうして今を中心に生きることで,過去も未来もよくなっていく。だから忘れればいいんだ。

何度もいうが,簡単にいうと,

「今」さえ一生懸命生きていれば,過去も未来もよくなる。

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恐いけれど,自分でやるしかない

人は,自分の一番大切な夢を追求するのがこわいのです。自分はそれに値しないと感じているか,自分はそれを達成できないと感じているからです。

(中略)

僕の心は,傷つくのを恐れています。

『アルケミストー夢を旅した少年』 パウロ コエーリョ作

子どもの頃は,大人になると何でもできると思っていた。背も高くなる。お金もある。車も運転できるようになる。恋愛もできる。何でもできるようになると思っていたんだ。

でも,そうではないことに気がつく。何でもできると思っていたから,何でもやってみたのに。恥ずかしいことなんてなかったのに。

何もできないのではないかと,気づいてからは,心が傷つかなくなった。「どうせできない」って。

どうせできないからやらなくなった。やっても仕方がないって。

学ぶ方法は一つしかない。

それは行動を通してだ。

『アルケミストー夢を旅した少年』 パウロ コエーリョ作

たとえ,できないかもしれなくても,やってみないと分からない。結果的にできなくても,やったことに意味がある。

いや,意味があったことにすればいいんだ。やらないよりやってみて,そこから何を得るかなんて自分次第だ。やらないことからは何も得られない。得られるとしたら,「逃げることに慣れること」だろう。

ぼくは,現在,1年間の育休中だ。育休も同じ。とってもなみないで,とやかく言うな。育休を1年間とってみてから言いなさいよ。「意味ない」とか,「どーせ何もしない」とか。

ちがう毎日を過ごすことで,ちがう自分になるのは避けられないから。

状況が変わったら,自分も変えていくしかないんだ。

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