1.育休って夫婦で取れるの?
もちろん取れます!
結論からいうと,もちろん取れます!
厚生労働省の調査によると、2021(令和3)年度の育児休業(育休)取得率は男女ともに増加が認められますが、女性の85.1%に対して男性は14.0%と依然低くなっています。
引用元:生命保険文化センター「育児休業をとっている人どれくらい?」
この文章を読んで,思ったことは…
意外と男の育休取得率高いな!!!
では,過去の約10年分の育児休業取得率の推移を見ていきましょう。
男性の育休取得率が大きく増えていることが分かります。
ただ,このデータだけでは,夫婦共に同時期に育休を取得した割合は分かりません。
時期にもよりますが,ぼくの知っている限りでは,産後間もない場合,夫婦で同時に育休を取得しているパターンが多いです。
パパが育休で,ママが仕事というパターンはあまり聞きません。「パパ育休,ママ仕事」のパターンもある程度,子どもが大きくなっている(1歳間近or1歳以上)場合の方が多いように感じます。
つまり,パパが育休を取得している場合は,ママも育休中だということが多いということです。
ここで湧いてくるのがこの疑問…
夫婦で育休とる意味あるの?
大いにあります!!
夫婦の育休がいかに有意義か以下の記事を読んでみてください!
国は推奨しています!
では,なぜ,近年男性の育休取得率が増えているのでしょうか。
もちろん,それは,男性が育休を取得できる制度が整備されているからです。
制度があるということは,推奨されているともいえます。
内閣官房や厚生労働省のHPにも「男性の育休」「パパ育休」「夫婦での育休」が推奨されています。
ただ,国が推奨するからには,個人としても,家庭としても,職場としても,「男の育休」を受け入れるだけの環境が必要になります。
2.夫婦で育休をとる場合に知っておくべき制度
とにかく,これ→厚生労働省【育児・介護休業法改正のポイント】を見ていただければ,一目瞭然なのですが,以下,必要なところだけまとめてみました。
活用しよう!パパ育休・夫婦で育休に関する制度
男が育休を取得するというのは,意外と行動に移せない場合が多いです。家庭での夫婦の関係,金銭的な問題,職場の理解…などの不安から育休を諦める人も多いのが現状です。
こうした中,男性の育休取得を推進するために,制度の改正が行われました。
出産後も女性に職場で活躍してもらうためには、男性を対象とした子どもの出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みを創設して、育児休業取得を推進し取得率を向上させる必要がありました。そのために法律が改正され、育児休業を取得しやすい雇用環境の整備、個別の周知、意向確認の措置が義務化されました。
引用元:男性の育休取得を推進!改正育児・介護休業法のポイントを紹介
では,男性の育休や夫婦で育休を取得する場合に知っておくべき制度を見ていきましょう。
産後パパ育休制度
厚生労働省による動画です。
順番が前後しますが…
2:45~産後パパ育休制度
4:02~短時間勤務と所定外労働の制限
2:26~パパママ育休プラス
についての解説があります。
短時間勤務と所定外労働の制限
職種にもよりますが,夫婦でこの制度を活用できる例として…
おれの仕事は朝のほうが忙しくて休めないから,夕方の時間を短縮して勤務するよ!
私の仕事は,午前よりも午後のほうが忙しいから,昼から夕方までの勤務にするわ!
そんなことしたら,職場に迷惑がかからない…?
迷惑がかからないようにするのは,育休取得者ではなく,会社の義務です!!
次章で解説します。
パパ・ママ育休プラス制度
子どもの1歳の誕生日前日まで取得できる育児休業は、女性、男性のどちらか一方だけが取るのではなく、「パパ・ママ育休プラス」制度を利用して夫婦それぞれが取得することで、子どもが1歳2カ月になるまで育児休業期間の延長ができるという優遇措置が受けられます。
以下,厚生労働者のHPから参照します。
この優遇措置の大きなメリットは,子どもが1歳を過ぎても,1歳2か月までなら休業期間中に育児休業給付金を受けられる点ではないでしょうか。
取得するパターンも,以下のように,夫婦で相談し,お互いの仕事の都合や産後の奥さんの身体的な状況を踏まえて決めることができます。
制度についてしっかりと調べて理解した上で,夫婦の育休,男性の育休を取得すれば,金銭的な不安や,仕事上の都合を解消できるかもしれません。
職場でどのタイミングで育休をとれば,迷惑がかからないか自分で決められるのがありがたい!
2人で育休なんて家計的に心配だったけど,1歳2か月まで給付金が受けられるなら少し安心!
3.育休取得を望む労働者を守れ!
男性育休,みんなで取れば怖くない!
男性が育児休業を取得しなかった理由
会社で育児休業制度が整備されていなかったから 23.4%
収入を減らしたくなかったから 22.6%
職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったから 21.8%
男性の育児休業の取得について、会社や上司の理解がなかったから 15.1%
引用元:「仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」(平成30年度)
要するに,男性の育休取得を阻む者の1位は…職場!会社!
2018年(平成30年)のデータなので少し古いデータではありますが,育児休業を取得できなかった理由として,職場の影響がかなり大きいということが分かります。
もちろん,それは,職場だけが悪いのではありません。当時は,まだ男性の育休取得についての理解は,職場だけでなく,社会的にも認められている雰囲気はありませんでした。
ただ,今は違います!!!
「男性社員が育休を取りやすい会社」ランキングTOP100によると,
ご覧のように大企業がずらりと並びます。大きな企業ほど,職場内でも育休取得についての支援が行われ,整備されているということです。
偏見かもしれませんが,男性の育休取得に理解のない企業ほど,時代から取り残され,働き方や価値観も昔と変わらず,生き残っていけないのではないでしょうか…。
育休取得者を守るのは会社の義務!
- 個別周知・意向確認の義務化
労働者本人または配偶者の妊娠・出産を申し出た場合,会社が申し出を行った労働者に対して個別に育児休業制度の周知と休業の意向確認を行うことを義務付け。
部長!お伝えしたいことが…
嫁が妊娠しました!ぼく父親になります…!
おお、そうか!奥さんが妊娠したのか!おめでとう。
育児休業という制度は知っとるか?取得したいなら相談してくれ。
むしろ,会社側から育休取得の意向を確認せねばなりません!!!
- 雇用環境整備の義務化
育児休業を取得しやすい雇用環境の整備のため,①研修実施,②相談度口の設置,③自社社員への育児休業取得事例収集・提供,④育児休業取得促進に関する方針を周知,のうちいずれかを義務付け。
え,うちの会社,研修もしてないし,相談窓口もない,育児休業取得者もいないから何も分からない…。
こういった状況だとアウトです!育休取得を受け入れてもらえそうにないなら,直近の上司ではなく,もっと上に相談してみましょう。
- 育児休業等の取得状況の公表の義務化
常時雇用する労働者1001人以上の企業に対して,毎年1回,男性の育児休業等の取得率を公表することを義務付け。
前章で書いたように,毎年一回,対象企業は公表せねばなりません。まずは,時代をつくる大企業から改善されているようですね!!
- その他の会社の義務
育児休業等を申し出・取得したことを理由とする解雇,雇止め,降格などの不利益な取扱いを禁止
実質的にこういった不利益な扱いをあからさまに受けることは減っているとは思いますが,上司の態度が変わったり,復帰後に自分の居場所がなくなってしまうということはあるかもしれません。
育休を経て,男としても,大人としても,父親としても,社会人としても,組織の一員としても,大きく成長していたいものです。
育児休業等に関するハラスメント防止対策を義務付け。
これこそ,会社の義務です。自らが防御策を講じることも必要だと思います。会社の義務は会社が果たし,自らも自らで,育休に入る前には,会社に対してもやっておくべきことはやっておきましょう。
家庭については,以下の記事を参考にしてみてください。
コメント