ぼくは,1年間(2023年4月~2024年3月)の育休を取得しています。3歳と0歳の子どもがいます。
このブログの目的は,「男の育休は必要か」を実証してみることと結果として「男の育休取得率の向上」にあります。
ぼくの育休に対する考え方や実際の過ごし方,育休に関する制度を発信しています。
このブログをきっかけに,「育休を取得したい」「育休を取ることで人生が豊かになる」ということが伝わればいいなと思っています。
ぼくが育休を取得した経緯については以下です。重なる部分がありますので,ぜひ。
1.育休に抱く幻想
育休取得が決まった直後
育休の取得が決まったときのことを思い出しながら書きます。あくまでのぼくの場合の話です。
本当に育休をとってよかったのだろうか。
いや,とってよかったと言い聞かせるしかない!
こんな機会,もう二度とないかもしれない!
本当にいろいろな気持ちが入り混じる感じでした。ぼくの場合,短期で取得するほうが職場に迷惑をかけると判断したので,思い切って長期(1年間)の育休しか選択肢にありませんでした。
「一生に一回のチャンスかもしれない」という思いが決断を肯定してくれました。
育休取得が近づいてきたら
少し時間が経つと,だいぶ前向きになりました。夢で溢れました。
育休か~。1年間もある…!
あれもしたいな,これもしたいな。
このころは本当に愚かです。一体,何に期待しているのか分かりませんが,とにかく「合法的に1年間休める」ということに気持ちが高鳴ってしまっていました。
育休取得の直前
育休が目の前に迫ってくると,本当にいろいろなことを考えるようになります。「楽しみよりも心配」が,「期待よりも不安」が押し寄せてきます。
仕事のこと…少し偉そうですが,自分が休んでしまってこの職場は大丈夫なのか。1年間も休んだら復帰したときに自分の居場所はあるのか。
金銭的なこと…給付金が支給されるにしても,生活は苦しくないか。育休の1年間だけでなく,この1年間に貯金を切り崩すことでそれ以降の生活まで圧迫してしまわないか。
家庭のこと…1年間,仕事に行かず,ずっと家にいて精神的な健康は保たれるのか。本当にやりたい理想の「育児」はできるのだろうか。奥さんとの関係は悪くなってしまわないか。
とにかく気持ち的にもそんなに簡単なことではありませんでした。
2.育休に入る前にやるべきこと~仕事~
どんな職種でも共通していることかもしれませんが,とにかく,色々な意味で,片づけておくこと。整理しておくこと。自分がいなくても良いようにしておくことが大切です。
もちろん,育休中に育休関係の書類や手続き以外のことでも,何度か連絡は来ています。ただ,それが自分がいないと動かないものだとしたら,心置きなく休めません。
自分がいないせいで,迷惑を被る人もいるはずです。同様に,自分がいないおかげで,大きく成長する人もいるはずです。
まさに!
立つ鳥,跡を濁さず!
ぼくの場合は特に長期の育休なので,忘れられるくらいがちょうどいい,居場所がなくなってしまうくらいがちょうどいいと思って休みに入りました。
1年後,復帰したときのぼくががんばればいいのです。
3.育休に入る前にやるべきこと~家庭~
みんなで思おう!「楽しもう」という気持ち
ここからが本題みたいなものです。
育休に入る直前になると,自分の中では心配や不安でいっぱいになりますが,気持ちとしては,前向きになっておく必要があります。何をするにしても,心や気持ちは態度や行動に表れてしまうからです。
奥さんは,きっと楽しみにしてくれています。
子育てを夫婦でできる!
家事やってもらえたら,もっと子どもと関われる!
育児を手伝ってもらえたら,自分の時間もつくれる!
子育てのしんどさを共感できる!
こんなふうに思ってくれていたらいいのですが。
とにかく,自分にとっても,奥さんにとっても,子どもにとっても,家庭にとっても,この1年間が「最高だった!」という年にしなければなりません。「この1年を無駄にしない!」という気持ちをもつことが大事です。
みんなが欲しい!「自分だけの時間」
まず,「最高の1年にする!」という気持ちをもったら,次は,個人としても,夫婦としても,家庭としても「最高にする!」という感覚をもつことが大事だと考えました。
「自分の時間がほしい」と思っているのは,自分だけではありません。奥さんもです。3歳の子どもも邪魔されずに遊びたいだけ遊びたいのです。なんなら0歳児もです。止められずにいろんなものをなめまわしたいのです。
仕事をしているときは,社会人として,組織の一員として,職責を担う一人として,職場の看板も背負って…といった感じで,時と場合において,様々な社会的な自分を演じたり,表現したりする必要があります。
1年も家庭にいるとなると,ずっとパパであるわけにもいきません。もちろん,ずっと夫としての自分であるわけにもいきません。言葉の定義づけが曖昧になってしまいますが,時には,自己中心的に「自分のやりたいことをするために家事を先にやっておこう」といった邪な考えで行動することも大切です。
簡単なたとえですが,奥さんとこういうやりとりをすることはありませんか。
(今度,1人で映画館に行きたいから)
友達と遊びに行ってきていいよ!
え,いいの?ありがとう!
あなたも1人で出かけたかったり,友達と遊びにいきたいときは言ってね!
最近では,夜,こうしてブログを書いたり,読書をしたり,奥さんと海外ドラマを見る時間を確保したりするために,2人の子どもを早めに寝かしつける技を習得しました。
子どもにとっても,早く寝てたくさん睡眠時間を確保できて,次の朝,ぐずぐずせずに自ら起きてくれるので,最高です!
「自分のために時間をつくる」といった目的ではありますが,結果として家事が捗るようになったり,育児の効果的なやり方を身につけたりもできます。
みんなで決めよう!「やりたいことリスト」
みんなと言っても,0歳児には無理です。3歳児の娘には難しいですが,何をやるにしても,どこに行くにしても,何を食べるにしても,とりあえず「相談する」というパフォーマンスはしたほうがいいと思います。
【家族の一員なんだよ!】と思ってもらえたら嬉しいですよね。
具体的な「やりたいことリスト」は,奥さんとざっくばらんに話しながら決めました。「決める」というと少し重く感じますが,本当に大雑把に話しました。
育休中,何したい?
何する?
何ができる?
何してほしい?
「言葉」とはおもしろいもので,少しの言い方の差でもニュアンスが変わってきますね。人によってとらえ方は変わりそうですが。
- 「何したい?」…1人でやりたいことをやりたい感じ。
- 「何する?」…一緒にやりたいことを決める感じ。
- 「何ができる?」…できそうにないけど,一緒に挑戦してみる感じ。
- 「何してほしい?」…自分はしない(できない)ことをしてもらう感じ。
ぼくのやりたいことリストは以下です。参考にしてください。
4.「あの時の思い」こそが道しるべに
育休に入る前に大事にすべきは,育休を決めた時の思いです。本当にたくさん悩んだと思います。簡単な決断ではなかったと思います。もちろん,育休を取得する期間や産後どれくらいの時間が経過しているかで思いの大きさや内容は変わってくると思います。
たった1ヶ月しか育休がない人は,やりたいことなんて言っていられない場合もあります。
奥さんが出産直後であれば,人によっては立ち上がったり座ったりすることでさえもしんどい人もいます。自分の時間なんて言っていられません。
逆に,ぼくのように,ある程度の期間がある場合,育児と家事を中心に両立していく中で,生み出せる関係や見いだせる時間もあります。
「人生を変える!」なんて張り切りすぎると,何のための育休か分からなくなってしまうこともあるかもしれません。
みなさんの育休を取得した最初のきっかけは何ですか。ぼくは,「奥さんの一言」であったり,先輩の経験談であったり,その上に成り立つ「子どもを育てたと胸を張りたい」という思いであったり,仕事では得られない「何か」に出逢えるかもしれないという気持ちであったり…。
いろいろありますが,いつでも初心に戻って育休期間を最大限生かすためにも,育休に入る前の気持ちも大事にしてください。
何を前提に生きているのか,何の上に今が在るのか,そのことが自分の言動をより良きものにしてくれるはずです。そして,その先に,みんなにとって最高だったといえる育休が成り立つような気がします。
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