本音を言える人はいますか。本音を言える場所はありますか。
ここでいう【本音】とは,本当の本音のことだ。誰にも言えないようなこと。一切建前のない本音のことだ。たぶん,そんな本音を言える相手なんて,みんないないのではないか。
親にも友人にも恋人にも夫婦間でも,100%の本音を言える相手がいるという人は,世界に1人もいないのではないだろうか。
言えるとしたら,SNSなどにおける非公開のアカウント,個人を特定されないようなアカウント上くらいではないだろうか。
はっきり言ってそこも怪しい。もしも誹謗中傷などの失言をしてしまったら,必ずバレるからだ。突き止められるからだ。何も悪いことをしていなければ,突き止められるようなことは起きないとは思うが。
最近,『ゼロ秒思考』/赤羽雄二著という本を読んだ。直接的に関係ないが,その本を読んで上に書いたようなことを思った。
そして,このゼロ秒思考を手に入れることで,子育て・育児にも生かせると思った。すぐにイライラせず,冷静に物事を把握し,対処できる人間に。
より良い人間になりたい。より良い父親になりたい。だから,ゼロ秒思考のトレーニングをやってみたいと思った。
今回その本に書かれている思考のトレーニングやその本を読んで思ったことなどをかいていきたい。
ゼロ秒思考って?
思考の「質」と「スピード」,双方の到達点が「ゼロ秒思考」だ。
ゼロ秒とは,すなわち,瞬時に現状を認識し,瞬時に課題を整理し,瞬時に解決策を考え,瞬時にどう動くべきか意思決定できることだ。
迷っている時間はゼロ,思い悩んでいる時間はゼロとなる。
引用:『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』/赤羽雄二
本当にこんなことが可能なのかと。思考ってじっくりゆっくりしてもいいのではないか?
もちろん,短く済めば済むほどよいのかもしれない。ただ,それは対象によるじっくり熟考すべきこともあるのではないか。
半信半疑でこの『ゼロ秒思考』を読んでいたが,なるほど。自分なりに腑に落ちるところが多々あった。
どんな問題も,考えている質は落とさず,時間を短くできるならそれに越したことはない。
ゼロ秒思考のトレーニング方法
- A4の紙を用意する。
- 紙を横置きにし,横書きで上部にテーマ(タイトル)と日付を書く。
- 4~6行程度(1行20~30文字程度),箇条書きで頭に浮かんだことを書いていく。
- これを1日10枚書く。
- ※1枚書く時間は1分。1日10枚なので時間は10分しかかからない。
3週間継続してやれば,効果を実感することができるという。はじめは,1分で4行も書けないという人が多いが,やっていくうちに慣れてくるという。
ぼく自身やってみたけれど,思い付いても書くスピードが追い付かないことがあった。意外とと1行で20~30文字というのも難しかった。
タイトルやテーマ決めは,仕事のこと,家庭のこと,自分がやりたいこと,努力していること,達成したい目標についてなど,普段自分の人生に多く関わっているが書きやすいという。
本書の中で,具体的に指南してくれているので,ぜひ読んでほしい。
メリット~活かせるポイント
このゼロ秒思考のメリットについて具体的な事例や著者の経験をもって語ってくれている。ここでは簡単にまとめたい。
対人関係
考えていることや思っていることを,瞬時に正確に言葉にできるため,人間関係もうまくいくようになるという。
トレーニングの中で,常に思い浮かんだことやイメージを言葉にすることに慣れると,自分が思っていることを苦労せずに表現できるようになる。
言いたいことを表現できるのでストレスになりにくいし,相手にも伝わりやすくなる。お互いの理解も深まるというわけだ。
コミュニケーションは,お互い平常心で相手のことを思いやって行う時が一番効果的だ。意思疎通が進みやすいし,もちろん喧嘩にもなりにくい。
引用:『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』/赤羽雄二
人生のストレスの大半の根源は,人間関係からくるものだろう。もちろん,喜びや共感も人間関係によって生まれるが。
そのストレスをなくすことで,いつも落ち着いて人と対することができる。対人関係をストレスを生むものでなく,解消するものにしたいものだ。
決断力を鍛えられる
優れた経営者,優れたリーダーはどうして即断即決できるのか。
普段からその問題について考え続けているからだ。
引用:『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』/赤羽雄二
ある事柄について考え続けていると,問題に気付く,情報収集を怠らないようになる。何が起きても驚かず適切に対処できるようになるというものだ。
また著者は❝常にどんなことにも仮説を立て検証する❞ことができていると,修正もはやく迷走しないといっている。人間は,本来頭がいいのだと。
自然体でいられる
自然体というのは,自分に自信を持ち,かつ謙虚な状況のことだ。肩肘を張らない。人を見下したりしない。相手の立場が上だからといって,過度に緊張したり萎縮したりもしない。相手が下だからといって馬鹿にしたり,子ども扱いしたりしない。
直情的にかっとすることもむやみに感情的になることもなく,常に平常心でいられる。といって,熱い思いがないわけでは決してない。むしろ,目的意識が強く,目指すところも高いので,熱意がみなぎった状態でもある。
引用:『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』/赤羽雄二
この引用文を読みながら,本当にこんな人になりたいと思った。たしかに,ほとんどの人が自然体ではないような気がする。本来,人間というものは,一定の自己肯定感を有し,人に対して敬意をもちつつ,不自然にはへりくだらないものであるはずだ。
人間というものは,対等でフラットな関係を築くべきだ。もちろん,年齢や社会経験によって先輩や後輩という構図があるのは当然だが,だからといって人間的に上も下もない。
それなりに,生きてきたなりに,その人にしかない経験や積み上げがあるはずだ。子どもであろうと,老人であろうと,敬意をもって人と関わるべきだ。
自分の権利を主張するなら,相手の権利も認めなけれなばならない。
この本を読んだ中で,この❝自然体❞についての記述が自分にとって最も納得させられた。同時に,自分もこんな人間になりたいと思った。
ゼロ秒思考を身につけることで,どんな自分になれるのかワクワクした。
人にやさしくなれるのだろうか。すぐにカッとせず落ち着いた人間になれるのだろうか。それによって,人間関係もより良いものにできるだろうか。
だから,このゼロ秒思考のトレーニングをやってみようと思った。
誰にも言えない本音
これは,この本の内容から少しそれてしまうと思う。読者の一感想として読んでもらいたい。
ふと,自分は100%の本音を誰かに打ち明けているだろうかと考えた。家族にしか言えないことは家族にしか言わないし,友達にしか言えないことは友達にしか言わない。そんなふうに,言える内容を言える相手に伝えているわけだ。
しかし,心のどこかにどういったらいいのか,相手に嫌なように思われないかと言葉選びをする。自分が嫌われないように,自分が他人に思われたいように思ってもらいたいから。
そう考えると,100%の本音(汚い部分,純粋な部分)って,誰にも言えないのだなと思った。
SNSの非公開アカウント,つぶやくだけのサブアカウントですら,誹謗中傷などの問題ある発言をしてしまうと,特定され社会的制裁を受ける世の中だ。
人には言えない願いや思い,夢や目標などもどこかで吐き出せたらいいよなと思った。
思うだけで言えないこと,考えるだけで書けないこと,それらが溜まっていくと,ストレスになる。心がそういった成仏できない(言えない)言葉たちでいっぱいになるのだろう。そのストレスは他人へと向けられるようになるのかもしれない。
基本は誰にも見せない
腹が立った時,気分が悪い時は,それを全部メモに書き出すとすごく楽になる。相手の名前はストレートに書く。
(中略)
相手がどうしてそんなひどいことをしたのか,相手がどんなに悪い人間か,ということを思い切って書く。遠慮なく書く。誰に見せるわけでもない。
(中略)
そうすると不思議なほど,心が落ち着く。
同時に,最初は到底見えてこなかった自分の落ち度も見えてくる。「絶対に許せない,本当にひどい」と思っていたことが,もう少し客観的に見ることができるようになる。
引用:『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』/赤羽雄二
絶対に誰にも見せない前提ならば,100%の本音をかくことができるだろう。ストレスがたまらなくなるということだろう。そうすると,【自然体】に近づくことができるようになるのだろう。
少しでも人の目に触れることであれば,書いたことを人に見られたらまずいよな,と思い100%の本音をかくことができなくなる。見られてもいい前提で書くと余計にストレスがたまってしまうかもしれない。
まとめ
とりあえず3週間続けてみようと思う。ぼくは今日からはじめてみる(まだはじめてなかったんかい!)。3週間後が楽しみである。
今日7枚ほど書いてみたが,やはり難しい。4行が限界だ。それに文字が汚くなる。自分自身が読み返すことが前提なので,ていねいに書くことをおすすめしているようだ。
普段やっていることが,自分をかたちづくっていく。できるだけていねいにかく習慣にすれば,ていねいな字を書ける人間になっていくのだろう。
常に考えることをしていれば,考える人になることができるのだろう。
子どもと関わっていると,ついイラっとしてしまうことがある。自分の言ったことをさせようとしてしまう。子どもの思いを聞かず怒ってしまうことがある。
そんな自分をやめたい。良い父親になりたい。❝自然体❞を目指したい。
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